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囲碁アプリの開発日記(25) 今後の方針を考えてみる2018.05.26 Saturday
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ようやく囲碁アプリの開発版を公開できたわけですが、将皇のサイトにリンクを貼ってユーザを呼び込むのはまだ早い気がしてきました。現状のアプリはプレイしても面白くないからです。UIが貧相だとかAIが弱いとか以前の問題があると思います。アプリが面白くない状態でユーザを呼び込むと二度と来てくれない恐れもあります。今回の記事では面白くない理由と改善策をブレストしてみます。
■面白くない理由
囲碁初心者(私)の場合、どのような意図を持って石を打てば良いか分からず面白くない。というのが一番大きいと思います。何となく石を打って勝ったり負けたりするプレイングから抜け出せません。もっと具体的にいうと短期的に楽しさを感じるポイントが分からないです。将棋、麻雀、リバーシ(オセロ)はゲームの過程で直感的に楽しいと感じるポイントがあります。
<楽しさを感じるポイント(私の場合)>
将棋
攻めや受けの形を考えて実践する(意図した通りの結果になると嬉しい)、相手の王を詰ませる(パズル要素)
麻雀
アガリの形を考える。来て欲しい牌がくる
リバーシ
短期的な形勢が分かるポイントがあり(これは勉強が必要かも)、相手との駆け引きを楽しめる
麻雀は一番分かりやすいですよね。リバーシは勉強しないと難しいかもしれません(過去にリリースした「入門リバーシ」というアプリをプレイすれば理解できると思います!)。囲碁を簡略化して一般層に楽しめるものにしたのがリバーシなので、リバーシが難しいとなると囲碁は更に難しいのかもしれません・・・。しかし、囲碁は世界的にも普及しているボードゲームでつまらないという事はないはずです。勉強していけば徐々に楽しくなると思います。そのポイントがどこにあるか?これを作者自身が勉強するのが改善への一歩になるかと思いました。
参考までに作者の棋力(できる事)を書いてみます。これぐらいの棋力だとまだ楽しくないです。
・囲碁のルールが一通り分かる
・勝敗や地の概念が理解できる
・2眼作るという意味が分かる
・5路の黒番なら勝てる。6路の黒番は引き分けが多い(コミなし)
・ナカデを実戦で時々打てる。相手にナカデを打たれると「失敗した!」と感じる
・手筋に関して多少知識があるが、実践で使った事がない
元々は「地の概念」が分からず囲碁の勝敗すら理解できませんでしたが、それは「純碁」を知る事でクリアできました。もう少し勉強すれば加速度的に楽しくなる気がします。せっかく対局できるアプリを自分で作ったわけですから、それも有効活用しつつ勉強していければと思います。
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囲碁アプリの開発日記(24) 一旦公開2018.05.23 Wednesday
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まだ遊べるレベルには達していませんが、アプリとしての枠組みが一通りできたのでWebにアップしてみます。
http://ken1shogi.sakura.ne.jp/Igo/igo.html
■現在のバージョンでできる事
囲碁のルールを勉強できる(少し)
コンピュータと対局できる(5〜9路盤、純碁ルール)
対局中に「待った」ができる
対局が終わった後に、棋譜を再生したり自由に石を打てる。途中の局面から再対局もできる
ヒント機能が使用できる(今のところあまり参考にならない)■既知の問題
コンピュータが負けを確信した時に酷い悪手を打つ(早すぎるパス、石を全部とられる自爆など)
セキの局面に対する考慮がない
グラフィックがてきとー■今後の開発予定
グラフィックを正式版にする
囲碁の勉強に関するコンテンツを拡充する
コンピュータを強くする&ヒント機能を強化する
中国ルールに対応する
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囲碁アプリの開発日記(23) しょぼいなりに出来てきた2018.05.13 Sunday
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WebAssemblyを使ってブラウザ上でAIが動くようにしました。何とも貧相なUIですが一応対局はできます。現状は盤面サイズが5路固定でプレイしても面白くないので、サイズを変えられるようにしてからアップしようと思います。グラフィックも外注してちゃんとしたものに差し替えたいです。ただ、最終的に必要なパーツがまだ分かっていないのでどのタイミングで発注したらよいか難しいんですよね。
そういえば、WebAssemblyを使っていて今更気が付いたのですが、将皇のWebAssemblyモジュールは最適化オプションが適用されていませんでした最適化すれば1.5倍〜2倍くらい早くなりそうです。どこかのタイミングで直したいですね。
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囲碁アプリの開発日記(22) 何となくできてきた2018.05.04 Friday
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ディープラーニング系の話から一旦離れて従来のAI開発を行っていました。今は自宅から2駅のところに新しいコアワーキングスペースを借りてそこで作業を行っています。静かで集中できる良い場所なのですが、未だに私以外に使っている人を見たことがありません(10席あるのに!)。このまま使い続けて良いのかちょっと罪悪感があります(笑)
AIは弱いなりに一通り打てるようになりました。弱いといっても私よりは強いのでまずはこれで十分だと思います。あとは「私がAIより強くなる」→「私より強いAIを作る」の作業を繰り返していく予定です。私が強くなる過程を学習コンテンツの素材にしていけば一石二鳥になります。あと一週間ぐらいでWebで遊べるようにしたいですね。
あとは、個人的なモチベーションアップの施策として、囲碁関係のユーザ数や収益を公開していこうと思います。現在は0円です!Web版で1日100円くらい稼げたらいいですね
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メールで掲示板等で頂いた質問への回答(1)2018.05.04 Friday
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今回はメールで頂いた質問をブログで回答してみようと思います。メールで個別に返信しようとすると、色々悩んで数日過ぎた挙句、返信できなくなる事が多々あるからです。質問の内容はこちらで意訳させていただきました。
【質問】
勝ち切れ将棋は何故ヒントや正解がないのでしょうか?。掲示板で教えてもらうのはハードルが高いです。
【回答】
"正解"と"ヒント"を一緒にすると混乱するためそれぞれ分けて回答します。
>何故正解がないのか?
勝ち切れ将棋はプロ(又はアマチュア高段者)の棋譜を利用した問題集です。有利な局面を引き継いで相手の玉を詰ませば勝ちとなるため、どのような経路を辿っても勝てば正解となります。そのため単一の正解手順がありません。
>何故ヒント機能がないのか?
ヒント機能は将来的には実装する予定があります。ただし、いくつか懸案があり慎重になっています。
>懸案について
ひとつは技術的な問題です。ヒント機能を実装するには、現在の一番強いCPU(LV5 or 6)より大幅に強いCPUを作る必要があります。そうしないと「ヒント機能を使ったのに負けてしまった」という事があるためです。私が開発したリバーシのアプリにはヒント機能や解析機能がありますが懸念した事が起きており、アプリの評価を最低に下げられる事があります。そのため、中途半端に作るぐらいならCPUを1から作りなおすレベルで考えないとダメだなと思っています。
もうひとつは、掲示板のコミュニティ機能を損なうのではないか?という不安です。勝ち切れ将棋の掲示板は、自分が対局した棋譜を投稿してコメントしたり他の人に質問したりできます(現在はPC、タブレット端末のみ)。そのコミュニティ性は他の将棋アプリにはない独自のものであり、今後も重視していくつもりです。ヒント機能を作る事でその盛り上がりが欠けてしまうのではないか?という不安があります。
以上が回答となります。
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